コラム

【中国】外国人技能実習生の特徴やコミュニケーション方法

■近年減少傾向にある、中国人技能実習生

中国人技能実習生は、かつては日本における外国人技能実習生の中で最も多い割合を占めていましたが、近年その数は減少傾向にあります。

2020年の統計によると、中国人技能実習生の数は約7.7万人でした。
これは2012年の約10万人から大幅に減少しています。

この減少傾向の背景には、中国の経済発展が大きく関係しています。

近年、中国国内の賃金水準が上昇し、家族と離れて日本で働くことを望む人が少なくなってきたことが要因の一つとして挙げられます。
また、中国国内での雇用機会の増加も、技能実習生として日本に来る中国人の減少に繋がっています。

一方で、ベトナムやフィリピンなどの国からの技能実習生が増加しており、中国人技能実習生の相対的な割合も低下しています。
2017年頃からベトナムが中国を上回り、技能実習生の出身国として最多となっています。

しかしながら、中国人労働者全体で見ると、技能実習以外の在留資格、特に技術・人文知識・国際業務の分野で多くの中国人が日本で働いています。
つまり、中国人労働者の日本での就労形態が変化してきていると言えるでしょう。

このように、中国人技能実習生の数は減少傾向にありますが、これは中国の経済発展や日本における外国人労働者の受け入れ状況の変化を反映したものと考えられます。

■中国人技能実習生の特徴:家族のためにまじめに働き、上下関係を重視する

中国人技能実習生は、日本の技能実習制度において今も多くの割合を占めています。

彼らの特徴を理解することは、効果的な職場環境の構築と円滑なコミュニケーションを実現する上で不可欠。

まず、中国人技能実習生は、一般的に明るく真面目な性格で、家族への愛情が深いことで知られています。
また、漢字文化圏出身であることから、日本語の習得が比較的早い傾向にあります。

彼らの勤勉さと適応力の高さは、多くの日本企業から評価されていますが、同時に文化の違いによる課題も少なくありません。

本項目では、中国人技能実習生の特徴からえ、彼らとのより効果的に協働するためのポイントを探っていきましょう。

性格と価値観:

中国人技能実習生は、一般的に自己主張が強く、プライドが高い傾向があります。

彼らはお金やビジネスに対する関心が高く、物事を損得で考えることが多いとされています。
それと同時に、目上の人を尊重し、上下関係を重視する傾向も見られます。
家族を大切にする価値観を持ち、多くの場合、明るく真面目な性格の持ち主です。

仕事に対する姿勢:

仕事面では、中国人技能実習生はマニュアルに従って作業を行うことが得意と評価されています。
指示されたことは確実にこなしますが、言われていないことは自主的に行わない傾向があります。
直属の上司を特に重視し、その指示に従う傾向が強いです。
また、人前で叱られることを嫌う特徴があり、能力主義的な考え方を持つ人が多いです。

言語習得と文化適応:

中国人技能実習生は、日本語の習得が比較的早いことが特徴です。

漢字を理解できるため、文字によるコミュニケーションがしやすく、このことが日本での生活や仕事の適応を助けています。
しかし、文化の違いによる摩擦も時に生じるため、相互理解が重要となります。

特に仕事で彼らと関わる際には、彼らの背景や文化なども尊重しなければなりません。

中国人技能実習生は家族や故郷を離れて来日しているため、彼らの努力と決意を尊重し、温かく接することが大切。
日本の文化や慣習を決して一方的に押し付けるのではなく、それらを教えつつも、同時に彼らの文化にも興味を示すことで、相互理解を深めることができるでしょう。

■減少傾向にはあるが、依然として多い中国人技能実習生

中国人技能実習生が日本で働くことを選択する理由は、経済的動機と文化的要因が複雑に絡み合っています。

経済面では、中国国内の就職難を背景に、日本での技能実習を通じてキャリアアップの機会を求める若者が増加しています。
日本の高い給与水準も魅力の一つで、短期間での貯蓄が可能です。
また、介護など中国でノウハウが不足している分野のスキル習得も重要な動機となっています。

文化的には、中国と日本が漢字文化圏であることによる親和性の高さが大きな要因です。
さらに日本の安全で衛生的な環境も魅力的なようです。

中国では、日本のポップカルチャーを通じて日本語に触れる機会が多く、言語習得への意欲も高いです。

また、家族を大切にする価値観から、「家族のために頑張る」という強い動機づけがあり、地理的な近さや、日本での就労経験が国際的に評価されることも、彼らが来日を選択する理由の一つです。

これらの要因が複合的に作用し、今でも多くの中国人技能実習生が日本での就労を選択しています。

経済的な動機が主要因ではありますが、文化的な親和性や日本社会に対する好印象も重要な役割を果たしているのです。

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